とあるケータイショップでの出来事である。
白髪の男性がウロウロキョロキョロしながら店内を回っている。
あるスマートフォンを手に取り、なにやらおぼつかない手つきで持ちながらしげしげと見ている。
鍛えられた接客力を持つであろうスタッフが、やさしく「なにかお困りごとがおありですか?」と声をかけると「初めてなので何が何やら・・・」と。
さらにスタッフからの穏やかで優しい質問が続く。「文字やボタンなどは大きいほうがよろしいですか?」「文字入力は簡単なものが良いですか?」である。
「文字は小さいほうがいいなあ」「文字入力は複雑な方がうれしい」と答えるケースは珍しいのではないか。
そのスタッフは本当に親切に善意で対応しているのは見ていて感じられるのだが、最初からお勧めしたい機種が浮かんでいるようである。
買う側の視点に立つというのは難しいものである。
株式会社ジェック 越膳 哲哉