「楽に成しえないこと」と「努力しても成しえないこと」


 とある打ち合わせで、「それは技術的に無理ですね」という回答に対し、「技術的に無理というのは今の世の中の技術水準では無理なのか、御社の技術力では無理なのか、予算内で活用できる技術では無理なのか、どのような意味ですか?」と質問した際にふと気づいた。

新しい事業を、サービスを、価値を創造しなければこれからの未来は創れない。

「今は変革の時代であり、過去のビジネスモデルの限界が来ている。新たなビジネスモデルを創り出すイノベーションを組織に生み出すことが必要だ」という認識は、今の時代に生きる私たちにほぼ共通のものである。

 しかし同時にそのイノベーションが中々生まれていないのも事実なのである。

 自社に対し新しい視点・視座でイノベーションを提案するものの、「それができれば理想だが現実的ではない」と却下される経験を少なからずしてきているし、同じぐらいの量で提案する前に「これは理想論すぎる。現実には成しえないだろう。」と考え提案すること自体をあきらめて来たのではないか、と考えてしまった。

 そうしていくつもの「想い」をあきらめてきたその時点で、その判断には自分なりの理由はあった。

 しかし「成しえない」というのは、「どれほど努力しても成しえない」のだろうか?

「楽には成しえない」から「どれほど努力をしても成しえない」という意味に置き換えて、「膨大な努力」から逃げているのではないだろうか?

 おそらくこれからもいくつものことをあきらめていくのだろう。


 しかしあきらめる前に、「それは本当にどれほどの努力をしても成しえないことなのか?」と自身に問う習慣ぐらいは身につけていきたいもの、と改めて感じる瞬間であった。


株式会社ジェック 越膳 哲哉

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