「読み、打ち、当てる」思考回路を磨く


1.「読み、打ち、当てる」思考能力の強化の重要性


某企業から先般ご相談いただいた内容だ。


●今年度方針に、「マーケティング力強化」が打ち出されている。

マーケティング発想を持ち、ビジネスプランを立て、実行して、検証する。そのビジネスは儲かったのか否か、今後儲かる可能性があるのか、検証したい。


●意図して前述のことに組み込まないと、実務においては、マーケティング発想が磨かれない実態がある。


●近未来を考えると、市場環境が変化していく中で、その変化に対応していくだけではなく、変化の兆しを掴み、変化を先取りして、仕掛けていける人材を育てていきたい。


●特に次世代リーダーに、マーケティング発想を持ち、ビジネスを組み立てていく力をつけさせたい。         


この企業様のように、マーケティング強化を課題とする企業は多い。


激変する市場環境の中で、変化の兆しを掴み、ビジネスプランを立てる。

それは、企業が市場に打って出る戦略でもあり、特定の顧客(ターゲット)を対象にした提案力を高めることでもある。



2.Aチャート(A型発想)の構造を知る


前述のようなビジネスプランや特定の顧客を対象にした提案力を代表的な事例として、

「読み、打ち、当てる」思考能力を強化するAチャートの効用をご紹介する。




 

「A型発想」とは、一見対立関係に見えるもの(事)でも、同じ目的に向かい、共に何をするのかを統合することにより、両立できるという考え方のことだ。

 例えば、「お客さまと自社は立場の違いから対立することもあるけれど、お客さまが、その先のお客さまから選ばれ続ける状態を創り上げるという共通目標に向かっている点で両立できる」ということだ。


 

それが英語のアルファベットのAの形に似ていることから「A型発想」と名付けられた。


 そして、A型発想を基に、ライバルよりユニークな自社のシーズで、お客さまのニーズを満たすように、自社がお役に立てるところを考え続けることで、お客さまの課題が見えてくるという仕組みだ。


それらは、「お役立ちコンセプト」(後述参照)を中心に展開していく。

 お客様のその先のお客さまにお役に立つ「お役立ちコンセプト」の創出。

そのためのアイディアや実行プランを策定する仕組みだ。



3.Aチャートには、以下のような効用がある。


①トップセールスの顧客情報の整理・分析のフィルターを高度に単純化している。



 実際にAチャートを作成していただくと、「まずいぞ、お客さまのニーズ情報が不足していて欄が埋まらない」とか、「お客さまのあるべき姿(理念、方針、目標、想いなど)を普段からほとんど考えたことがなかったな」、「番号順に考えて書かないと、ついつい自社都合の売り込みの提案になってしまう」などの率直な意見が出ることが多い。


 

また、「これまでうまくいった商談は、Aチャートのように情報を整理、分析していたな」という感想もお聞きする。

 このように、顧客接点の貴重なニーズ情報や社内ノウハウを全員で共有できることができる。




Aチャート作成と現場実践の繰り返しによって、「読み」、「打ち手」、「当てる力」というコンセプチュアルスキルを強化できる。

その理由をa~cで説明する。


a.潜在ニーズであるウォンツの「読み」のためにさまざまなモノサシが提供されている。

 ニーズとは、〈デザイアー・ニーズ・ウォンツ〉のニーズ三層のことだ。お客さまは何に一番困っているか、何が必要なのか、将来予測されるお客さまの問題は何か、その解決策には何が適しているのかなど、まだ見えていないウォンツを顕在化させる。





 例えば、マーケティングダイヤグラムや経営のダイヤグラムで視点を幅広く、そして奥深く変えることで、それまで見えなかった潜在ニーズを顕在化させる。






b.aのように、潜在化しているものを顕在化させようとすると、既存のものの見方やとらえ方(行動理論)を変えることが要求される。そこに、創造性を発揮するチャンスが到来する。



c.「打ち手」のために「お役立ちコンセプト」を創出する力を磨く。


 お役立ちコンセプトとは、「ユニークな切り口で、お役に立つためのアイデアの中核を表現したもの」だ。


 このお役立ちコンセプトがなぜ重要なのかというと、お客さま自身もニーズが見えにくい時代において、限られた経営資源を選択・集中するための方向性を明確に示すことで効果・効率を最大限に追求できるからだ。 

また、アクションプラン(実行計画)を作成したり、提案書を書いたり、ロールプレイングを実施して、「当てる力」を強化する。こうしたシミュレーションを行うことで、成功期待感が高まり、組織を巻き込みながら、お役立ちコンセプト実現のための「当てる力」が強化されるのだ。


 そこには、「お役立ちコンセプト」の信念化が必然だ。泥臭くてもよい、スマートな表現でなくてもよい、どれだけ繰り返し深掘りして、「これだ!」と思えるかどうか。その信念が周囲に伝わり、動かす原動力になる。


 また、「お役立ちコンセプト」は、お客さまのあるべき姿の未来から考えられている。

ともすれば既存の枠の範囲で考えてしまうところを、お客さま、さらにその先のお客様、時間軸では、長期的、将来的な視野で考えるきっかけとなる。

 つまり、「お役立ちコンセプト」はニーズを顕在化し、思考の枠を広げ、革新的な行動へと導く強い力があり、かつ創造的な人と組織につながることは言うまでもない。



4.自身行動理論を見つめる。


問題解決を図りながら、各人や組織の行動理論を見つめる。


特に「○○はこういうものだ」という自分自身で作っている枠=既成概念・固定観念の打破につながるということだ。


常に“既成の枠”の外から新たな情報を取り入れ続けて需要や価値の創造ができる人財が、これからの時代にますます求められる。





5.内省的実践家づくりで定着させる


内省的実践家とは、専門知識や技術を実務で実践するプロセスで、省察を行い、自らの価値観や行動をよりよく変えていける人のことだ。


単に「行動」のみを修正するのではなく、「行動を支配している価値観(=実践理論 : theory-in-use)」までも変えるダブル・ループ学習へとつなげる。


そのことにより、問題解決が迫られている場面のみならず、日常的にダブル・ループ学習を回せる創造的な人と組織の定着化へとつながる。




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