「私たちは本当に『準備で勝負』していますか?」
質問を変えると、用件一発で決めるほど、練りに練った準備ができていますか?
「そんなこと・・・」という方もいらっしゃるでしょう。
そう、すべての訪問に対して、そこまでできるわけありませんよね。
一日1件しか訪問しないのならまだしも、「一日最低10件は回って来い!」なんていうマネジャーの下では、しっかりとして準備をしている暇はありませんものね。
でも、ろくな準備もせずに曖昧なままの用件で訪問したらどうなりますかね?
「自分は必ず、このお客さまの役に立つぞ」と自信を持って訪問できるでしょうか?
できませんよね。するとどうでしょう、お客さま企業で、初対面の部長に、
「一応こんな提案作ってみたんですが、説明だけでもさせてもらえませんか」
あるいは飛び込み先の総務課長に、
「いやちょっと近くを通りかかりましたもので、情報提供をちょっとさせていただこうと思いまして・・・。ちょっとお時間よろしいですか?」
なんて、しどろもどろになってしまうんじゃないでしょうか。
そして、そんな自信のない営業に、お客さまが貴重な時間を割いてくれるでしょうか?
(ケッ、役に立たなそうな奴が来たな)なんて思われてしまい、
「悪りぃーね、急用が入っちまって。またにしてくれるかな」
と、アポイントが取れているのに、断られてしまったりしそうです。
仮に時間をとってくれたとしても、要領を得ない単なる商品説明に業を煮やし、
「で、結局何が言いたいんだ。」なんて一喝くらって追い出される・・・。
準備を重ねた訪問とそうでない訪問では成果に差が出てくる!
例えば一日に十件の訪問が課せられている営業担当者であれば、時間の事情もあり、十件すべてに、しっかり準備するのは難しい。⇒そこで、その中の二~三件は万全な準備で臨む。
⇒すると準備した二~三件とその他では、商談の中身がグッと違ってくるはずです。
準備に裏付けられた自信、自信を持ったこちらの姿勢に対する先方の応対、商談がかみ合うことで出てくる本音の情報などなど・・・。
その中身の違いを、日報できちっと報告すれば、マネジャーもそれが今後の成果にどう結びつくのか、興味関心を持って観察するはず。
「ちょっと見せてくれ。うーん、ここはメリットをもっと掘り下げたほうがいいぞ」
なんて、アドバイスをしてくれるかもしれません。
さらに練り込んだ用件が蓄積されれば、それらを参考に、業種業態別の汎用用件書をつくることができ、より一層効率的な準備につながります。
そうして次第に一日四件、五件と、練り込んだ用件での訪問ができるでしょう。こうして、時間との戦いも解決されていく。
まずは行動あるのみです。
本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。