商談は心の準備も必要

いい感じのお客さまに会えたのに・・・?


受付で社名とお約束のある旨を伝えると、「お待ちしておりました」と応接室へ通される。


「たいへんお待たせしました。㈱○○の☆☆です」笑顔とともに名刺が差し出される。


「どうぞどうぞ、おかけください。遠いところからで、たいへんでしたでしょう」。


どうやらいい感じの人だな。出足は上々だ。



そして、「ところで今日は何でしたっけ?」


あ、いえ、その△△の件でご提案なんですが。


「ああ、そういうのは前から他でやっているんですよね」。いや、私どもはですね。・・・


「おっしゃることは分かりますが、今は時期的にちょっとね」。しかし将来的には・・・


「ですからさっき申し上げたとおり・・・」


と、準備万端でアポをしっかり取ったにもかかわらず、

「感情対立物別れ型」商談に陥り提案は不発に。



こちらが良い第一印象を与える態度で接するからこそ、お客さまは「この人の話なら聞いてみよう」という気持ちが高まるのです。


一言で言うと「自分の出方で、相手の出方が決まる」でしたよね。


さて、では商談を振り返ります。


応接室でお客さまを待っている間、「どんな人かな、優しそうな人だといいな」なんて考えていませんでしたか?


これは「自分の出方で、相手の出方が決まる」の正反対、つまり相手の出方を窺って自分の出方を決めよう、となっていませんか?


さらに言うと「優しそうな人だといいな」というのは誰の都合でしょうか?

もちろん自分の都合ですよね。自分都合の営業を、お客さまは必ず見抜きます。

そしてそういう人ときちんと商談しようとは決して思わず、丁重にお帰りいただこうと考えます。話を聞くだけ損と判断するからです。


だから見事にお客さまにコントロールされ、思うような商談をさせてもらえませんでしたよね。しかもそこを、「いえ、しかし」と逆説の接続詞で強引に突破しようとしたため、感情対立を起こし決裂してしまったわけです。


誰のための商談か常に意識する


ここで確認したいのは「商談は誰のために行うのか」ということです。

商談の目的、それはお客さまの問題解決です。

つまり商談は、「お客さまのため」以外のなにものでもないのです。


ですから良い第一印象で「この人の話なら聞いてもいいかな」と感じていただき、そして自らの働きかけで商談をリードし、成約というゴールへ導くのも、すべては「お客さまにとって最も効果効率が高い」からです。


商談のそもそもの目的「お客さまの問題解決」を外して、提案準備やTELアポにどれだけ努力をしても、それは効果の上がらないことにエネルギーを注ぐ「真面目な怠け者」への道を歩むことにしかならないのです。


応接室でお客さまをお待ちしているときに考えること、それは「優しそうな人だといいな」ではなく、いつ、どんなお客さまが入ってきても「この人の話なら聞いてみよう」と感じさせる第一印象を与えられるよう、集中力を高めて心の準備を怠らないことなのです。



本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。

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