もう一歩の「踏み込み」で本音を引き出す


用件が決まっても商談は進まない!?

「お客さまへのお役立ちこそが、企業として、営業担当者として、最も幸せなことであり、その想いを「何を、なぜ、どうしてほしいのか」と簡潔かつ熱意を持ってお客さまへお伝えする」。これが、用件切り出しということでしたよね。


さて、こうして用件がビシッと決まれば即、提案をご採用いただけるのでしょうか?


もちろん、こちらの都合で「買ってください」と言っていた時と比べ、はるかにご購入の確率は高まるでしょう。けれども100%成約というわけにはいきません。


そこには大きく、二つの理由が立ちはだかります。


一つは、どんなに一生懸命考えた提案であっても、お客さまの抱える問題にピンポイントでヒットするには至らなかったケース。


もう一つは、「なるほどいい提案だな」と感じていただけたにもかかわらず、「よし、お金を払おう」という決断にまで至らず、結論を先送り、保留されてしまうケースです。


ここでは前者のケースへの対応を考えていきましょう。



「いらない」とは言ってない。では買う気はあるか?


まず確認しておきたいのが、ここでのお客さま心理は、


「よく考えてくれたのは分かるが、うちが欲しいのとは違う」

あるいは、

「悪くないが、今は別のことで手いっぱいなんだ」、つまり「自分ごと」として考えてくださっていない状態なのです。


しかし、こんな心理状況をハッキリ口に出して言わないのがお客さまです。なぜなら、お客さまも人間。お役立ちの想いで一生懸命提案する私たち営業を、無下に断りづらいからです。

かといって買う気もない。そこで私たちを体よく引き取らせるために、「あいまいな反応」をなさる。

しかもこの反応は、表面上肯定的な表現であったりするので厄介です。


例えばどんなものがあるか?


① 「考えておく」

② 「とりあえず資料だけ置いていって」

③ 「○○と相談してみる」等々。


これらあいまいな反応は、言葉の上では決して「いらない」とは言っていません。


それで心のどこかでは、「これは体よく追い返そうとしているな」と感じつつも、「分かりました、ではよろしくお願いします」などと言って、その場を引き揚げてしまう。そして多くの場合、お客さまからは、なしのつぶて。


一週間後に連絡すると、「悪いね、今回はやっぱりやめておくよ」。ガチャリと切られてしまう。あるいは期待を持たされつつ、数ヵ月振り回され、「ああ、あの件は来年また検討するよ」などと、中途半端な見込みのまま長期保留案件となってしまう。


「うん。あるある」というあいづちが聞こえてきそうですが、この落とし穴をクリアできなければ、真の商談には向かわず、常に上辺の商談で終わってしまいます。


なぜなら、肯定的な表現でその場を切り上げようとするお客さまの真意は、

「売り買いの話を避け、うまく私たちを追い返したい」

であり、まだまだピタリと心を閉じた状態だからです。

もちろん、心を開いていただかなければ、本音のかみ合った商談は進められませんよね。



こちらが本気で踏み込まなければ本音は出ない!


では、どうするか?


具体的には、例えばお客さまから、「考えておくよ」と言われたら、「ありがとうございます。では来週頭にはお返事をいただけますでしょうか?」、と一歩踏み込みます。


「資料だけ置いていって」と言われても、「ありがとうございます。ではご購入の方向でお考えいただけるのですね」と一歩踏み込みます。


するとお客さまは「ちょっと待ってくれ、まだ買うなんて言ってないぞ」と初めて本音(=反対)の一端をのぞかせます。


私たちが常にお客さまの本音に訴えてこそ、本音と本音のかみ合った商談となるわけですから、私たちはお客さまから出た“本音の一端”を決して手放してはなりません。

ここからが、真の商談の皮切りなのです。



本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。

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