自分の都合で質問していませんか?

最終更新: 2020年11月10日


反対したお客さまが自ら商談に関心を持ってくださるための働きかけを考える


商談の行方は自分次第


商談を切り上げようとしたお客さまが、一歩踏み込まれて思わず本音をしゃべる。


例えば「うちはいらないんだよ」と反対したとき、反対した理由を質問されると、いったいどんな気持ちになるでしょう。


一般的には、「いらないと言って反対した手前、その理由を質問されると、『ちゃんと答えなければ』という義務感めいた心理」が生じます。


したがって、この心理を梃子にしてお客さまに質問していくと、次の3つのメリットが生まれます。


①会話のキャッチボールが生まれ、商談をつないでいける

②質問を工夫することで、情報収集ができる

③お客さま自身に口を開いていただくことで、商談に関心を持っていただける


特に③は重要です。人は自分がしゃべっているうちに、知らず知らずその内容に刺激を受け、しゃべることでそのものに真剣になってしまうからです。


皆さんにもそういうご経験がおありですよね?


逆にお客さまが聞く一方では、営業の説明がいかに流暢でも、商談の経過にしたがってどんどん気持ちは冷めていってしまいます。


では、次の商談例の場合はどうでしょうか?


営業 「こちらの装置のご導入、いかがでしょうか」

顧客 「いらないよ」

営業 「とおっしゃいますと、現在の設備で十分ご満足なさっていらっしゃるのですね」

顧客 「十分というわけではないが・・・」

営業 「するとご予算ですか?」

顧客 「もちろん予算の問題はある」

営業 「そうですか。他には何か?」

顧客 「うん、まあ、いろいろとね」

営業 「決定権の問題などもおありでしょうか」

顧客 「もちろん」

営業 「やはり最終的に決定されるのは経理部長になるのでしょうか?」

顧客 「そりゃそうだ。金が絡むからな」

営業 「経理部長のご了解を取り付けるのは難しいでしょうか」

顧客 「当然だろ」

営業 「そうですか・・・うーん。えーと・・・」

顧客 「じゃあ、もういいかな」

営業 「いえ、ちょっと、もう少しだけ!」


「いらないよ」というお客さまの本音に対して、せっかくその事情を知るために素直に質問

して商談をつなげられたのに、結局なんだか雲行きが怪しくなってしまいましたね。

しかもお客さまは商談にちっとも関心を示していないように思えます。ここにはどんな落とし穴があるのでしょうか。


お客さまの問題を解決するための質問を!


質問の内容を一つひとつご確認ください。


一体この営業は何を質問しているでしょう?

お客さまのどんな点に関心を持っていると思われますか?

もうお気づきですよね。

自分の勧める商品をどうやったら採用してもらえるか、です。

それって、お客さまにとって関心のあることでしょうか?


そんなはずはありません。

だから一生懸命質問しているにもかかわらず、お客さまが一向に乗り気にならないのも無理ありませんね。


商談において、お客さまが関心を持っていることはただ一つ。自分の(自部門あるいは自社の)問題をどうやったら解決できるかです。


商品の購入を決定するのは、そのための手段にすぎません。そして私たち営業の目的もただ一つ、お客さまの問題を明らかにして、その解決策を提供することです。

売ることは、そのための手段にすぎません。


したがってお客さまの反対される理由を質問するといっても、こちらの都合でただあれこれと、聞きたいことを聞きたいように聞いても、お客さまを商談に引き付けることも、有益な情報を手に入れることもできません。


なぜ「いらない」のだろう?

お客さまを悩ませていることは何なのだろう?

何が原因でそういう問題が起こってしまうのだろう?


など、お客さまのお役に立ちたいとの想いで質問して初めて、お客さまは自分が答える問題意識を刺激され、徐々に商談に対して興味を高め関心を深めていくのです。


お客さまが反対されたときには、「こちらの聞きたいことを質問しさえすれば(因)、商談

をつなぐことができる(果)」、この行動理論は間違っています。


正しくは、「お役に立ちたい」心で質問するからこそ(因)、お客さまも誠意を持って答えてくれ、結果としてお客さまが自ら商談に関心を持ち始める(果)」となりますよね。



本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。

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