質問を打ち切るタイミングとコツ

「反対の壁」をチャンスに変える


「反対の壁」を出しているお客さまの心境は、

「一体いつまで質問するのだろう」

「どこまで内情を話せば気が済むのだろう」

「そろそろ仕事に戻らせてくれよ」

などなど、商談内容からはずれたさまざまな不安がわき起こり始めた状態です。


さて、不安でいっぱいの人っていったい相手に何を望みますか?もちろんその不安を取り除いて、心の中をスッカラカンにしてくれることですよね。


そうなるとどうなるか?気分が晴れてホッとしますよね。ホッとするとどうなるか?ホッとさせてくれた人に対して優しくなる、そして自分にできることがあれば少しはしてあげたい、そうなりませんか?


つまり反対するお客さまを、私たち営業が受け入れてこそ、お客さまも私たちを受け入れたいと思い始め、それが個人対個人の関係づくりへの第一歩となるのです。


具体的には・・・、


営業 「そのへんのところのご事情を、もう少し詳しく教えてください」


顧客 「だからさっきも言ったように、リーダーそのものがまだまだメンバーレベルの発想しかできていないんだよ」


営業 「そうですか。では、『各チームが毎週末に反省会を行い、そこで得られたノウハウを社内で共有する仕組みをつくる』という案は、時期尚早ということですね」


顧客 「その通り。今やっても残念ながら効果が望めないんだよ」


営業 「分かりました。社長のお考え、お悩みをお聞きでき勉強になりました。ありがとうございます」



このようにお客さまが反対する理由をしっかり受け止めると、お客さまは、

「やれやれ、やっと分かってくれたか。これで売り込まれずに済む」

と、少しホッとしますよね。


誰だって反対の理由をいつまでも説明し続けるのは面倒くさいし、しんどいですからね。


ところが、ここで黙ってしまうとどうなるか?


「じゃあ、よろしいですか。私もそろそろ仕事に戻らなくてはなりませんので・・・」

と、席を立たれてしまいませんか。


もしこれで帰ってしまったら、次回の訪問はしやすいですか?

ちょっと難しくなってしまいそうですよね。

これでは個人対個人の関係性も築けぬまま商談を終えてしまうことになってしまいます。



では、どうすればよいか?


それは、「話題を変える」ことなのです。


具体的には、


営業 「分かりました。社長のお考え、お悩みお聞きでき勉強になりました。ありがとうございます。ところで話は変わりますが・・・」


と、これまでの商談内容をズバッと打ち切り、全く別の話題に切り替えてしまうのです。


するとお客さまは、「話が変わるということは、本当に売り買いの用件は終わったんだな」と、さらにホッとします。

そしてホッとするだけではなく、その後の心理から、私たち営業にとっての大きなメリットが生まれます。


それは、

「お客さまは相手に自分の反対を受け止められると、自分も相手に何かお返しをしなくては、という人間一般に共通する心理」であり、


その後心理が、

「(売り買いに関係なければ)世間話くらい付き合ってもいいかな」という気持ちにつながっていくのです。


つまり、


【お客さまの反対の理由を受け止め、「反対の壁」を乗り越えれば(因)、引き続き商談はうまくいく(果)】】ではなく、


【反対の理由を受け止められホッとしたお客さまの後心理を梃子に、世間話で盛り上げてこそ(因)、お互いの心の距離が接近し、商談は前へ進む(果)】それが正しい行動理論なのです。



本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。

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