プロとしての信頼を築き うちあけを引き出す提言その③

最終更新: 11月10日


「気づき」で引き出したお客さまの問題意識に対し、まずは商品・サービスの特徴と、その特徴がもたらすお客さまのメリットをお伝えします。


するとお客さまは、

「なるほど、役に立ちそうだな」

「これはいい!採用を考えてみるかなぁ」

等々、私たちの商品・サービスに対し、興味関心を示し始めます。


しかしその一方で、

「でも営業の言うことだしなぁ、話半分ってとこかな」

「いいことばかり言っているけど実際のところどうかなぁ」

等々、実効性に関しては、まだまだ不安を残しているのが現実でしょう。


お客さま心理を先取りした実例で証拠立てる


そこで、「提言」の第二段階、「実例で証拠立てる」が有効なのです。

我々営業に対し、「売りたいために都合のいいことを言っているのではないだろうか」

という顧客心理を先取りし、我々の商品・サービスが、実際に効果をもたらすという、客観的な証拠を示すのです。


ここで思い出していただきたいのが、「効用分析」の手法です。

提言をより効果的に行うための思考回路作りの一手法としてご紹介しましたが、その組み立ては「事実⇒効用⇒証拠」の三ステップでした。


第一段階、「用具を活用してセールスポイントを説明する」では、事実⇒効用と展開し、商品の特徴とお客さまが得るメリットを結びつけることがポイントでした。


今回の「実例で証拠立てる」では、論理により印象づけた商品・サービスのメリットを、効用分析における「証拠」によって裏づけすることで、さらなる購買意欲の向上を狙います。

証拠とは、あくまで客観性が高くなければなりませんが、それと同時に必要なことは、お客さまが「確かに本当だ!」「これは成果が上がりそうだ」と提言内容に関し、もう一歩確信を深めてくださる内容であることです。



提言のイメージ化


では、一体何が提言における証拠となり得るのでしょうか?そして、より効果の高い証拠とは、どういうものなのでしょうか?


代表的なものとしては、次の4つがあります。


①採用・導入事例・・・提言でお勧めしている商品・サービスと同様のものを、採用または導入したお客さまが、何かしらの利便を享受している、あるいは抱える問題が解決に向かっているという実例。=イメージがつきやすく提言効果は高い。


②実験データ・・・商品の効果を証明するための実験によって得られたデータ、あるいはスペックを裏づける実験データ。=主観を一切介さないため、客観性はナンバーワン。ただしデータそのものだけでは無味乾燥。


③アンケート結果・・・商品・サービスを提供されたお客さまの声(感想)を、収集・集計・分析したもの。「顧客満足度調査」などの形で行われるものが代表的。分析結果にはコメントが付されることも多いが、そこに分析者の主観が入りやすい。=提言効果は、アンケート実施母体の権威や信用性にかなり左右される。


④プレス記事・メディア紹介・・・新聞、雑誌、書籍、TV、ラジオ、インターネット広告など、公共的な発信機能による商品PR。=公平性および信頼性が高く、一般レベルの証拠としては効果抜群。


前記解説をご覧いただいておわかりいただけますように、4種類の証拠それぞれに特徴があり、効果という観点で、一概に優劣は問えません。

ただし、提言される側のお客さまの立場になって考えてみますと、もう少し突っ込んだ認識が必要です。


我々営業パーソンは、ややもすると、商談を理屈で考えてしまいがちです。


でもお客さまは、理論理屈だけで納得し、買う決断をするのでしょうか?私たち自身が、何か買い物をするときのことを考えると、「そうじゃない」ことがわかります。


パソコンにせよ、車にせよ、家にせよ、理詰めでベストチョイスをしようとしても、容易に決めることはできないでしょう。


それよりも、何か「これだ!」というインスピレーションなど、感覚的な印象が大きくものをいうのではないでしょうか。


ですから、「実例で証拠立てる」段階で意識したいことは、「導入すれば本当に成果が上がるんだ」というイメージを描かせることであり、そのためには、実際に導入したお客さまの、リアルな成功事例が非常に有効であると言えます。


ですから、より効果的に証拠を伝えようと思えば、自社の商品・サービスのように活用し、役立てているかに関心を持ち、しっかりとフォローすることがおのずと大切になってきます。

アフターフォローをきちんと行う営業パーソンの成功確率が高いのは、こんなところにも理由があるのです。


では、ポイントを行動理論で整理します。


■誤・・・「セールスポイントの裏づけとなる客観的な行動を示せば(因)、お客さまの信用を得られ(果)、購買意欲は高まる(果)」


■正・・・「具体的な活用事例を描かせられなければ(因)、自分事としてイメージできず(果)、購買意欲は高まらない(果)」


本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。


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