【商談の壁を乗り越える!】一般家庭訪問の営業担当者Kさん 断られると何も言えない・・・

                   

私は生命保険会社に入社して、約1年です。会社で一応テリトリーが決められているので、その範囲内を中心に1日30件~50件の一般家庭に電話や訪問をしています。

ところが、なかなかお客様と商談が進まず困っています。入社当事と比べて、比較的お客さまが時間を作ってくれるようになったのですが、いざ本題に入ると体よく、あるいは単刀直入に断られます。

断られると、あとは何も言えません。何も言うことが出てこないのです。逆に勇気を奮って商品説明を続けると、嫌な顔をされて「もういいから!」とお話になりません。


上司からは“断られるのは人間関係ができていない”のと、“商品の良さでの切り返しがまずいのではないか”と言われています。

でも、お客さまが時間を作ってくれたときの様子(笑顔)を考えると、受け入れてくれているはずだし、保険商品についても、自分なりに一所懸命勉強して訴えはできていると思っています。




■悩めるKさんへ   

                         

Kさんのお悩みは、話をする時間は作ってはもらえるが、用件を切り出して、お客さまから反対(断り)が出てくると、その後どうしたら良いのか分からない。


そこで、それに対して切り返し話法を身につけようと思うものの、それで本当に良いのか不安だということですね。

これは、切り出しの中でも、最初の反対(断り)を歓迎する場面にポイントがあるようです。

そこで、今回はお客さまの反対(断り)に的を絞ってどうすれば良いのか?を考えていきたいと思います。



■お客さまは、なぜ反対(断り)をするのか?

                   

お客さまが、我々営業担当者の用件に対して反対(断り)をするときには、必ず理由があるものです。

例えば、「しょせん勝手な売り込みだろう」。「しょせん聞いても大したもの(商品・サービス)じゃない」「ゴリ押しされるのはイヤ」など・・・。

つまり、我々の働きかけによって生まれる心理によって反対が出てくるのです。

Kさんのケースも、良い印象を与えて、話(商談)をしても、用件を切り出した後に、反対が出てくる。これらはお客さまに何らかの心理が生まれているからなのです。



■無視できないお客様の心理                       


具体的にお客さまの心理を見ていきましょう。


1.用件を言えない営業担当者に・・・

まず、お客さま心理として新規・既存客を問わずあるのが「何しに来たのだろう」なのです。用件を予め伝えてある場合は別として、お客さまには、この心理があるのです。

その心理があるにもかかわらず、何しに来たのかをハッキリ言わない営業担当者。


「用件は何なんだ。暇つぶしで会っているわけじゃないんだ。しょせん売り込みなのだろう!ハッキリ言えよ!自分の売るものに自信のない頼りなさそうな奴!」

結局、お客様は聞くに値しない営業担当者と判断してしまうのです。



2.反発心理を引き起こす営業担当者

お客さまが「いらない」と反対(断り)したにも関わらず、なぜ反対(断り)なのか理由を聞こうとしないで、

①それでもしつこく、買えと言う。

②他のセールスポイントを必死で訴える。

③反対を無視した態度で言いくるめようとする。


すると、お客さまは「いらんと言っているのにしつこい奴、自分が売りたいだけの勝手そうな奴、人の気持ちも分からない鈍感な奴」→気の許せない信用できそうにない営業担当者と決めつけることにつながるのです。


3.反対(断り)が出ると足早に帰る営業担当者


「あの営業担当者はいったい何しにきたのか?この忙しいのに。来るんじゃない!気の弱そうな頼りなさそうな奴、あんなことで営業が務まっているのか?」→安心して任せられそうにない情けない営業担当者との強い印象を持ってしまうのです。



■なぜお客様を無視するのか? 

                     

なぜお客様の反対(断り)を

●出させまい 

●避けたい 

●言い返して潰そう など、お客さま心理を無視した言動をとるのか?

反対を恐れている行動理論(考え方)が原因なのです。

               

何とか業績を上げたいと思っている営業担当者ほど、反対(断り)を恐れてしまうのです。なぜなら、売りたいのに反対されると、それが邪魔だからです。

しかも、人間は本来、反対(断り)されるのは生理的に好きなものではありません。

つまり、反対(断り)というのは「嫌なもの」であり、まして営業担当者にとって「邪魔もの」だということなのです。だから反対(断り)を恐れ、嫌うのです。



■お客さまの心理を無視しないためにも                  


 反対(断り)を恐れることでお客さまの心理を結果的に無視してしまうことになるのならば、どうすれば良いのか?

反対(断り)歓迎の精神を持つ


反対(断り)歓迎の精神とは、お客さまの反対が出てくると、これはチャンスと大喜びするくらいのものなのです。


なぜなら、お客さまの反対はお客さまを商談に参加させる第一歩であり、お客さまを分かってあげる大きなキッカケになるからです。

その理由は、お客さまには「反対(断り)した手前、その理由を問われると言い訳をしたくなる」といった心理が生まれるからです。その心理をテコにして、その理由を問えばよいのです。答えてくれます。(ただし、その前にしっかりとした反対を引き出すことが前提)。


そのことで、お客様を商談に参加させることができ、お客さまの考えも分かるのです。つまり、このお客様心理を踏まえて、分かってあげることこそ、お客さまの心理を重視した商談(相手の立場に立つ)と言えるのです。


したがって、Kさんは、お客さまの反対(断り)に対して「切り返す」ということは研究する必要はないのです

なぜいらないのか?切り返すこと自体が、お客さまの心理を無視した無謀な商談につながるからです。

要は、切り返すのではなく、なぜいらないのか?を聞いて、分かってあげることです。

この姿勢で訪問すると、お客さまの反対と出会うことが楽しくなります。どんなお客さまでも、そのお客さまの心理・考えを、分かろうとして分かったときに、一つの達成感が生まれるからです。

そのためにも「反対(断り)歓迎の精神」を持つことが大切なのです。

              


本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。



関連記事

すべて表示

【商談の壁を乗り越える!】住宅営業Fさん お客さまへのアプローチが苦手

住宅、住宅販売会社に入って1年足らずの営業担当者Fさん 訪問やオンライン商談をしています。しかし、電話でアポイントをとることすら難しい中、たとえ会えたとしても、商談に入るとあまり話が続きません。お客さまの表情も固く何を話してよいのか話題が浮かばず、すごすごと帰ってくる状況です。

【商談の壁を乗り越える!】通信機器営業Kさん 技術から営業に転属して2年 お客さまに説明が伝わらない

私は通信機器会社に入社して10年を迎えますが、技術から営業に転属して2年目の営業担当者です。 技術には自信があるのですが、お客さまと話をすることが大変苦手です。商品知識には自信があります。しかし、それがお客さまに伝わっていないのです。そこで、お客さまに分かり易い商品説明の方法が

【商談の壁を乗り越える!】医療業界の営業担当者(MR)Tさん 新規開拓がうまくいかない

私は毎日、病院・医院に医薬情報を提供することで、わが社の薬品をご採用いただいている営業担当者です。 ところが、行き先が片寄っているので、上司に「新規も行くようにしろ」と注意されます。 しかし、ドクターは忙しく、時間が取れないだけでなく、時間をいただけてもいざとなると言いたいこと