【商談の壁を乗り越える!】製氷機及び業務用食器洗浄器販売の営業担当者Oさん 世間話ができない

                   

私は、飲食店を中心に、製氷機及び業務用食器洗浄器を販売している、入社二年目の営業担当者です。

お客さまと話をしていても、もう一つ盛り上がらないし、途中から何を話せばよいのか分からなくなることです。できるだけ愛想よく振舞って気に入られようとするのですが、話の糸口が出てきません。


日頃、上司からも

「O君の商談は固い。もっとリラックスして冗談ぐらい言ってお客さまに可愛がってもらえる営業担当者を目指すように・・・」と指摘されています。


喫茶店のマスターから「もういいよ、分かったから。でもうちは要らないよ。」と、話を聞いてくれたとしても、冷たい反応が返ってくることがほとんどです。気まずい思いで「失礼しました」と言って、そそくさと帰ってしまうのが日常です。


自分は若いし、相手は年上だし、話が合わせられないのです。しょせん無理があるのです。

また、営業担当者としてリラックスした世間話が本当に必要なのかと、疑問を感じているのが正直なところです。



■悩めるOさんへ   

                        

Oさんのお悩みは、「お客さまを訪問しても、話が盛り上がらない。盛り上げようとしてもどうすればよいのか分からない。リラックス商談と言っても、自分にはできそうもない。したとしても、話が浮かばず、続かない・・・。


■基本に戻ろう! 

                           

お客さまの個別事情に結びつけた提案をするためには、その前にお客さまの個別事情を知らなければなりません。しかし、その個別事情を知ろうとする場合、お客さまは簡単に個別事情を教えてくれるか?というと難しいですね。


なぜなら、少なくとも、我々営業担当者に対して心を開いていない限り、お客さまは個別事情(本音)を言ってくれるはずがないのです。


要は、お客さまが心を開いていないのに、一所懸命リサーチや提案(商品説明レベル)をしてしまうことで、


●上っ面のお客さまの話を聞いて分かったつもりになる。

●尋問調になり、嫌な営業担当者との印象を与え、はなから相手にされない。

●一方的に商品説明ばかりして、余計にお客さまは聞く気をなくしてしまう。


このような営業スタイルでは、個別提案どころではないのです。


つまり、Oさんの場合も、まず我々営業担当者に対して、お客様の心を開いていただく必要があるという基本を忘れてしまっているのが、根本的な原因ではないでしょうか。


 

■なぜ、世間話ができないの!?   

                  

その原因の一つとして、世間話と雑談を勘違いしていることがあります。


Oさんのお悩みの中でも、世間話に対する捉え方が間違っているように思えます。

この現象は、Oさんに限ったことではありません。なぜなら、世間話=雑談=無駄話と解釈してしまっている営業担当者がけっこう多いからです。


そこで、具体的にそれぞれの意味を調べてみますと、

雑談=ハッキリとした目的もまとまりもない話。

無駄話=役にたたない話。

世間話=最近の出来事など互いに直接利害関係のない話。

(三省堂国語辞典 参照)※第7版


つまり、商談における世間話は、目的のない役に立たない話ではなく、お客さまと直接利害関係のない話であっても、お互い打ち解けるといった大きな目的のある話なのです。


ところが、商談において世間話を雑談と勘違いして、軽視してしまうために、世間話をしない、あるいは、しても表面的な形だけのものになってしまう。したがって、お客さまが打ち解けることのない固い商談に陥ってしまっているのです。



■世間話の仕方     

                        

そこで、「お客さまの心を開かせる」といった目的意識を持って、世間話をどのようにするとよいでしょうか。


① 仕事環境をほめる

② 個人的話でイエス

③ 相手の仕事の話でイエス


お客様の心理が固いからこそ、世間話の中でも、より受け入れられやすい話から入ることが必要なのです。


「一度、相槌を打った相手はもはや敵ではない」という言葉があるように、商談としても肯定的反応が返ってきやすい、事実から入ることが大切なのです。


つまり、商談の場で事実として受け入れやすい話としては、

その場の①環境の話であり、また、ほめられることで肯定的心理が生まれ、心が開いてきやすいのです。

そして、②個人的話(趣味など)で共通項を見出せると、よりお客様の心が開き、打ち解けてきます。

さらに、リサーチの仕事上の悩みを聞きだすことにつなげるためにも、また、より心を開いていただくためにも③相手の仕事の話でイエスがとれるようにすることで、話が盛り上がり心が開くのです。


■とは言っても世間話が苦手な方へ    

                 

ここまで、世間話の重要性と進め方について述べてきましたが、具体的に世間話をどのようにすればできるのか、を考えてみます。

そこで、世間話が得意な方の特徴を見てみると、次のようなことがあります。


①相手に興味・関心を持つことができる人

②訪問前・直後に話題探しをしている人。

③日頃から、話題につながる記事(新聞・雑誌・・・など)に目を通している人。

④自分が聞きたいこと、分からないことを素直に質問できる人。

⑤相手の反応に敏感な人。

⑥自分のこともオープンに言える人。


世間話が得意になるためには、これらのことができる人を目指せばよいのです。


■でも、難しいと思う方へ  

                       

しかし、それが分かってもできない、またやっても続かないことがよくあるのが現実です。なぜ、そのようになってしまうのか?

それは、単なる技術ではなく、営業そのものに対する考え方が、大きな影響を与えているのです。

そこで、世間話上達のための正しい考え方(行動理論)をまとめます。


1.お客様の心が開かずして、本音は出ず。

2.自らの心を開かずして、お客様の心を開かせることはできない(相手の出方は自分の出方で決まる。)

3.世間話は「お客さまの心を開かせる」といった大きな目的がある商談である。

4.反対(断り)歓迎


Oさんの場合も、これらの行動理論を持ち、世間話に対する誤解をなくし、目的意識を持って常に話の種にアンテナを張ることで、商談につながりと盛り上がりを持つ事ができます。

自らの心を開いて世間話でお客さまの心に接近しましょう。


本原稿は、株式会社ジェック『行動人』から転載・加筆いたしました。



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