成果の長期的側面にも注目しよう

業績が低迷すると、どうしても企業の関心は目先の利益に集中する。

そして、売上拡大と経費節減による利益確保に向かって、経営資源の総点検が

始まる。

その結果、当面の業績を阻害する要因は、ドラスチックに排除される。

これは経営責任を担うトップとしては、当然の判断である。


ドラッカーも、「成果というものには、必ずしも相容れない二つの時間的側面

がある」と指摘している。

一つは短期的側面で、もう一つは長期的側面である。


こうも言っている。

「当面の要求と遠い将来の要求とを調和させなければならないということで

ある。この二つのどちらを犠牲にしても事業の健全な発展は望めない」。

つまり大切なのは調和であり、バランスである。


しかしこのようなことは、言われなくとも、経営者であれば誰でも分かって

いることだ。

ところが業績が予想以上に落ち込んでくると、分かっていながら、つい長期の

成果にまで目が向かなくなることがないだろうか。


そのように、 経費削減を考える時も、長期の利益を考えると、どうしても削

減してはいけないものがあるはずである。


例えば、顧客に直接かかわる費用、研究開発費、人材育成費などが挙げられる。

その中では、研究開発費や人材育成費は、即成果が出るものではなく、一時的

にやめたとしても、何ら問題は無いようにも思える。


しかし、この変化の激しい時期に、それらに投資しない数年の空白をつくるこ

とは、企業の未来にとって、ボディブローのように確実にダメージを受ける。

過去を振り返ると、すでに同じ原因のダメージを経験した企業も多いのではな

いだろうか。


「コスト」ととらえるか、「投資」ととらえるかでその意味は変わってくる。

長期的視野で、何が必要か、必要ではないかを、再点検してはいかがだろうか。


20170328 ジェックメールマガジンより

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