大徳で経営する

「治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず」(『三国志』諸葛孔明)小恵とは文字通り小さな恵みのことであり、さしずめ安易な減税や、給付金のばらまきということになろう。


「凡庸なリーダーは、ついつい、大衆の喜びそうなことを行って支持を得ようとしがちであるが、国を治めるには、長期・大局・根本の観点に立って国が繁栄するように心を配ることが肝要である」という意味になる。


企業に置き換えると、かつては、「収益性・成長性の追求」が優秀な企業、良い企業といわれた時代もあった。

そして、時代環境が変わり、「収益性・成長性の追求」のみならず「従業員の幸せの追求」や「社会への貢献」にウエイ卜をかけた企業活動が求められ、「魅力ある企業」として、脚光を浴びている。


しかし、「魅力ある企業」を標榜するために、単に目先の「従業員の幸せの追求」にウエイトをかけた経営施策を取るという考え方をするならば、「小恵を以って」するということになりかねない。


ある企業で、社内の声に押されて、福利厚生の一部としてスポーツジムと契約をしたが、利用率は低く特定の人しか使わなかったという。

また、別の企業では、社員の待遇を徹底的に良くすれば、良い人材が集まり業績が上がると信じて、社内に社員専用のバーを作り、出張時はグリーン車での移動・高級ホテルへの宿泊をさせた結果、多額の負債を抱えて倒産した。



では、「大徳を以って」経営するとはどういうことだろうか。


社員が理念に共鳴し、市場に目を向けて、仕事を謳歌できる環境づくりや風土づくりをすることが必要であろう。

自らお客様のために知恵を出し、協力し合い、市場から選ばれ続ける組織で仕事ができる誇りややりがいを創造することである。


また、社員にだけ目を向けるのではなく、顧客、従業員、役員、取引業者、株主、地域社会、国際社会、全てに目を向け、自社の理念を貫き「社会的意義」を果たし続けることでもある。


最終的には、あらゆるステークホルダーの「幸せ」につながるようにしなければならない。

このような経営こそ「大徳を以ってし」ということではないだろうか。



20160316 ジェックメールマガジンより

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