ガンバッテも報われない時代なのか?!

この十数年の間に、日本人の意識は大きく変化した。その中で経営者として特に注目しておきたい変化は、「がんばれば報われる」という意識が急速に薄れ、「どうせがんばっても」という意識が主流になりつつあるということだ。


バブル崩壊以降、円高、デフレ、リーマンショック、就職氷河期といった出来事は、ことごとく「がんばれば、報われる」という意識を根底から覆した。


また、「ゆとり世代」と大ざっぱに括られる若者や、その前のデフレの嵐の中、就職活動を行ってきた世代の意識も、これらの出来事と密接にかかわっていると思われる。

彼等は、時代の変わり目に社会に出て、辛酸をなめ、高い上昇志向を持つこともなく、「この程度で満足する」ようになってしまったのだ。


その親の世代も、「がんばっても上が詰まっていて出世できないし、それよりも今の生活を維持」しようとする。「自分らしい」そこそこの生活で満足している。


これまで経営における動機づけの方法論は、「がんばれば報われる」という意識の存在を前提として構築されてきた。

確かに、「頑張り、成果を出せばいずれ報われる」ことは今でも事実だし、それを信じる従業員の活躍によって企業は発展を遂げてきた。


しかし、「どうせがんばっても」という意識が蔓延するにつれ、「高い業績を目指そう、そのために頑張ろう」というスローガンは通用しなくなってきた。


とするならば、動機づけのための前提を切り替えて、早急に経営スタイルを刷新する必要がある。一体、今後、前提とすべきコンセプトは何になるのだろうか。


それを私は、「プライドの充足」だと考えている。ここでいうプライドとは、単なる見栄や外見のことではない。個性の発揮や美意識の満足、生活の安定を含んだ、トータルとしての「自我の満足」のことである。


では、そのための具体的な施策をどのようにするかといえば、会社を「全従業員の参画による理念実現機構」にすることだ。


会社の理念にはほとんどの場合、「真・善・美」がベースとして織り込まれている。

これらを実現するため、という形で社員を巻き込んでゆくことだ。

そして、参加させるプロセスで、個性を発揮させたり、社会的貢献という誇りを持たせるなどの工夫を行うことが肝要となる。


20140716 ジェックメールマガジンより

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