環境変化のテンポは、この数十年、ますます速く、複雑になってきている。
そのため、社内に新しいことを起こさなければならないことが多い。
戦略をたて、仕組みをつくり、人を動かして成果に結びつける。
だが、この過程がどうもうまくいかない。
せっかく考え出した新サービスの立ちあがりが思わしくない。
打ち出した方針が浸透・徹底しない。
市場に合わせてこうでなければ、と考えに考えて変更した組織が思うように機能しない。
全体が今までの流れに戻りたがって、グズグズする。
それを見て経営者はイライラする。
なぜ、こうなるのか?
人間はわからないこと、意味のないことはやりたがらず、慣れ親しんだことにこだわるものだからだ。
こうせよ、ああせよと言うだけでなく、自分に今、これが必要なのだと思わせる課題を設定し、やり切る力をつけさせ、新しいことにチャレンジする自信をもたせることが重要だ。
ある中学校では、学年全員3,000m登山に成功した。
頂上を極めた者しか知りえない荘厳な感動を、どんなに「素晴らしいから登ろう」と言ってみたところで、行動を起こす者はほとんどいない。
「登山をする。皆で頂上を極めたい。体力が必要だ。一人の脱落者も出したくない。毎日運動場を走ろう。初日は1周、次の日は2周。山登りに出発する日までには全員が20周走れるようにしよう!」と、できることから始めて、肥満の子も、障害をもつ子も全員に「山に登るんだ」という意識を植えつけ、落後したくないという思いで頂上を極め、全員で「感動」をものにしたのだ。
組織に新しいことを起こすとき、「まずチャレンジしよう」、「是非とも成功したい」という意識を植えつけ、メンバー自ら積極的に行動する情況をつくり出すことが、成功の決め手となる。
20141001 ジェックメールマガジンより