環境変化にともなって、企業は、構成要素である組織や商品や人、風土を革新していく。
環境適応業である企業にとって、これは当然のことである。
しかし、「この当然」のことが、なぜか一番、難しい問題であり課題だ。
これができないばかりに多くの企業は消滅していかざるを得なくなる。
「企業の寿命は30年」という説もあるくらいだ。
では、その企業のサバイバルにとって、もっともネックになる要素は何か。
よく言われる「ヒト・モノ・カネ・情報・時間」という5つの経営資源の中で、高度成長期にはモノ・カネが関心の中心だった。
近年はITの進化に伴い、情報・時間に関心が移っており、その研究や書物も多い。
こうした要素に関心が高いということは、同時にそれがネックになるという認識だからであろう。
しかし、この中でいつの時代も最大のネックになり得る要素は「ヒト」である。今日では、「ヒト」と、その他の要素を同列に置くことは間違いであるという認識を持つ人も多い。
「ヒト」をはじめ、全ての要素を生かすも殺すも「ヒト」次第なのだ。
ところが産業革命以降、約200年間、資本を「モノ」と考えてきた。即ち物的資本を中心とした考え方だ。
これに対して、人的資本を中心とする考えもある。どんな物的資本も人的資本を前提とするものであり、しかも人間は単なる生産手段ではなく、一人ひとりかけがえのない存在であるという前提に立って、働く人々こそが最も重要な資本であるという考えだ。
この発想に立って5年、10年と人的資本の成長、強化に努力した企業こそ、サバイバルのみでなく、より発展・成長していける企業といえよう。
「“人的資本”こそ成長力の第一要因」だ。
20141015 ジェックメールマガジンより