最終目的はファンづくり

縁もゆかりもない埼玉県越谷市に、寺を作った住職がおられる。

(参考:渡邊源昇『お寺はじめました』原書房, 2018)

宗派の新寺を作る支援制度を活用し、寺を作る土地を探し信徒を獲得していくのだが、

その活動の流れは、企業活動そのものではないかと感じた。


・立地探し=新住民が多く寺の立地が少ない地域を探し、どこに寺を作るかを考える

 (市場ニーズの調査、マーケティング)

・その中で、どのような人を信徒として想定するのか?(誰が顧客か?)

・寺を作る想いやありたい姿はなにか?(ビジョン、戦略)

・そして、どのような寺となるのか(何を提供するのか?)


その他、資金計画や、借りる民家の家賃等からの経費計算、さらには、宗派を知って

もらうために、駅前で「パンフレット入り」のティッシュを配るなど、

飲食店を新規開店する場合とやっていることは何ら変わらない。


この著書に「町の中の懸け橋となるような場所を、仏教を通してつくる(p.24)」と

書いてあり、これがこのお寺のコンセプトであると感じた。

それは、著者が子供のころに通っていたお寺が見本だそうだ。


よく、「儲ける」という漢字を漢字の本来の成り立ちとは違うが、

「信」「者」と分けて説明し、「儲けるとはすなわち信者=ファン客を作ること」

という説明をすることがある。

お寺の場合、まさしく、この「信者」を作ることが繁栄につながる。

そのためにも、源昇住職は「地域への貢献を意識して」、地域にとって必要なお寺を

作ろうとされたようだ。


結局のところ、企業であろうと宗教法人であろうと、ファン客(信者)創造の手法に

変わりはなく、誰に、どんな価値をどのように提供し、支持を広げるのか、その戦略を

具体的に展開していくことしかないのだと思う。


ジェックメールマガジンより 20190607



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