単能工から多能工への道

アメリカが自動車産業などで成長を続けたころ、工場では「単能工でもできる作業」に仕事を分解して生産性を高めた。

その背景は、労働力を高度な知識、技能を持たない移民に頼ったため、多能工を作りたくても作れなかったのだ。


かたや日本は移民政策を取らず、高度成長期も地方から多数の労働者を集めたものの、それでも人手が足りないため、結果として長期雇用の多能工を育成するようになったと言われる。


日本の多能工文化は、工場だけの話ではないと思う。

日本では、製造部門だけではなく、営業や事務、開発部門等でも同じことで、複数の業務を担当できる人がお互いに業務をカバーしあう文化を醸成させてきた。


隙間の業務を誰が担当するのか、あいまいなところはお互いにカバーすることで、業務効率を上げてきたのだ。


最近では、LCCの乗務員が、機内清掃に参加したり、ホテルのフロント担当がベッドメイクをしたりするなど、サービス業でも同様の動きがある。

つまり、これまで多能工文化のなかったところが、多能工化を進めれば、効率はまだまだ上がるということだ。


建設業でも同様の事例が見られる。

左官ができるだけではなく、鉄骨が組める、足場を作れる等複数の業務が担当できるようになることで、

本人にとっても仕事が途切れることがなくなるメリットが出てくる。


サービス担当者が、メンテナンス活動をして得た情報から、提案(営業)活動をするようになることも多能工化だし、逆に営業担当者が訪問したついでに点検を行うのも多能工化になるだろう。


まだまだ多数の職種、業種で“多能工化”という可能性はあるに違いない。


ただ、多能工の育成においては、まず、スペシャリストになることが必要である

ことは押さえておきたい。

いきなり、多能工を養成することはできない。


「私はこのことは誰にも負けない」という一本の柱を立てないと、ただの器用貧乏になってしまう。

まずは、何かの業務に精通し、一人前になってから、関連する他の業務を学ぶという手順を経ることが求められる。


20190802  ジェックメールマガジンより


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