現場が人を育てる

「新入社員の早期育成」という課題をいただくことがある。


また、製造業では「若手への技能伝承」という話も、よく聞かれる要望だ。

色々お聞きすると、このような課題に直面している企業は、新入社員を現場に出すまでの期間が同業他社よりも長いように感じる。


これは、どうやら仕事を通じて育てる、現場で教える、お客様から教わる、ということができなくなっているためのようだ。


確かに、お客様も「お宅の新人の教育のために使われた」と苦情を出すこともあるかもしれない。

仕事で失敗することがあるかもしれない。

企業側はリスクを恐れ、現場も「使えない人間をよこすな」と言っているかもしれない。

様々な理由が研修期間を長くしているのだと思う。


あるメーカーでは、4月入社、集合研修、5月~6月は工場で実習、7月は再度集合研修、8月配属という流れを、半年間の座学研修の後、10月配属に変えたことがある。


半年は「学生の延長」ということだ。


残念ながら、それで仕事ができる一人前の社員を現場に配属できるわけではない。

結局、現場で再度教えることになる。


また、半年の研修に切り替えて以降、「以前より受身の社員が増えた」という現場からの意見も増えた。


結局、この仕組みは5年で変更になり、その間に現場で人を育てる風土が弱くなったそうだ。


一度、そのように風土が崩れると簡単には元通りにはならない。

長年続いている慣習や仕組みにはそれなりの意味があることを忘れてはいけないということだろう。


古いかもしれないが、私は「仕事は現場でしか学べない」と思っている。


最低限の知識と技能を持たせれば、後は現場で育てるのが基本だと思う。


教育訓練は、新しい仕事をさせるとき、企業が新しい環境に適応するために行うもので、日常の実務は現場で教えるしかない。


失敗することもあるかもしれないが、それをカバーできる上司、指導員であるべきだとも思う。


技術の継承も早期育成も、そのカギを握るのは現場の指導力である。


20181004 ジェックメールマガジンより


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