鉄道事業の再編成から考察する大戦略の転換

100年続くビジネスモデルも、時代の変化で崩れていくことがある。


鉄道会社には、小林一三モデルがある。

鉄道を敷設し、その沿線に住宅を建設、都心のターミナルには商業施設を作り、逆に郊外のターミナル付近にはレジャー施設を作る。

それにより、沿線人口を増やし通勤通学客を確保、日中の閑散時間帯には、都心ターミナルの商業施設に、休日には郊外のレジャー施設へ人を誘う。


鉄道だけではなく、商業、レジャー、不動産などの総合力で収益を上げるモデルだ。

間違いなく、この100年、私鉄各社の基本戦略となり、利益を生み出してきた。

しかし、このモデルが崩れつつあるように感じる。


東京では、東京駅周辺がこの20年で様変わりした。

他にも虎の門、湾岸付近の開発が進んだ。

今後、リニア品川駅の開業や品川~田町間に新駅ができ、品川車庫も開発される。

つまり、東京の中でも、東側に偏った開発が進んだと言える。


対して、私鉄が多い東京の西側はどうか。

渋谷駅は東急東横線を地下化し、周辺の再開発を進めているが、その総面積は約5.2ha。

東側で再開発される品川車庫の約7.2haと比べると、そこまで広くはない。

そのうえ、渋谷は既存施設があるところを再開発するので、スピードは遅い。

さらに私鉄が線路を持つ東京の西側郊外は、再開発はまだまだ進んでいない。

高度成長期に作られたニュータウンがオールドニュータウン化しているところも多い。


そのような中、東急電鉄は、鉄道事業を分社することを決定した。

詳細は、今後詰めるようだが、鉄道、商業、レジャー、不動産の

総合サービス産業としてのありかたを変えていくということだろう。

その流れの延長戦には、鉄道会社の解体、統合が進むということではないか。


鉄道運営に特化した会社が、複数の民鉄鉄道会社の運営を行う。

鉄道だけを見れば、車両の共通化や相互乗り入れ等、この方が効率的に運営できる。

その他の事業は、それぞれ専門特化した上で、同業他社との統合が図られる。


ショッピングセンターは、ショッピングセンターを経営する会社として統合され(既存の事業者も含め)、商業施設も同様に統合される。

すでに、鉄道系の食品スーパーやコンビニ、旅行会社などはそれに近い状態になっている(例えば、皆さんの使う鉄道会社の駅売店は、その鉄道会社の経営ではなく、大手コンビニのFCになってはいませんか?)。


そうでない道を進むとすれば、これまで民鉄が打ち出してきた沿線ブランド力をさらに強化するしかない。

基本戦略としては、「域内での消費の促進」だろう。


郊外の魅力を高めるために、沿線の所々に強力な核となる地域=衛星都市を作る。

そこは、職住接近で、商業施設も充実し、ターミナルまで出なくても十分に生活の充実度が高くなる。

郊外のそれら衛星都市が沿線全体の魅力を作るようにする。

つまり、ターミナル駅頼みからの脱却ではないかと思う。


どちらの予測が当たるかどうかはわからないが。

しかし、自社が属する業態が、いずれ大きな変化に見舞われたとき、どうふるまえばよいのか、予め考えておくことは必要だろう。

時代の流れを大局的に見る目を持ちたいものだ。


20181101 ジェックメールマガジンより

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