望ましいリーダーシップ像は「信念」と「信頼」が鍵


近年、部下の支援を中心とした「サーバント型リーダーシップ」や、ビジョンを掲げプル思考で現状改革を引っ張る「変革型リーダーシップ」が求められていると言われているが、一定のリーダーシップ教育を受けたことのある企業人ならば、「期待される指導者像とは?」と聞かれると、「マネジリアルグリッドの9.9型」「民主型リーダー」「PM型リーダーシップ」等の言葉が出てくることだろう。


その核は、「業績と人間関係の両立」である。


上記にある「PM型リーダーシップ」とは、P(Performance)「集団における目標達成や課題解決に関するリーダーシップ」と、M(Maintenance)「集団の維持に関するリーダーシップ」を兼ね備えたリーダーシップ類型のことである。


このリーダーシップ類型には、PM型、Pm型、pM型、pm型の四つがあり、大文字だと、その機能が大きい、小文字だと、その機能が小さいとしている。

(三隅二不二『リーダーシップの科学』1986,講談社,pp.68-72)


三隅氏が、望ましいリーダーシップと望ましくないリーダーシップを調査した結果、

「PM型をもっとも望ましいと選んだ人々は、全体の35パーセントに過ぎなかった」という。


それぞれの類型を望む人々の人生観や生活観を更に調べ、最も回答が多かったpm型は、地域の活動を重視する「仕事ほどほど派」、pM型はレジャーを楽しむ「遊び派」、Pm型は仕事第一で金持ちを目指す「猛烈派」、そしてPM型は「家族を大事にし仕事にやりがいを求める勤勉派」と傾向づけている。

(同 pp.138-139)


このように、人生観や生活観で望ましい指導者のタイプは変わるということだ。

ただし三隅氏は、「一度、現実の職場や何らかの集団のなかで上司との関係を持つようになれば、誰もがPM型を望ましいリーダーシップとして認めるようになる」

(同p.140)と考えている。


実際のところ、古今東西あらゆる場面で、成果を出し続ける組織のリーダーシップは、PM型であることは間違いない。

ただしPM型のリーダーでも、実際に取る行動が、Pm型にみえることもあり、pM型に見えることもある。


例えば、町内会の会長が、地域の将来ビジョンを持って周りを動かそうとしても、町の長老や、声の大きい町内のグループなどを説得するためには、あらゆる方法で懐柔策を繰り出すかもしれない。


それは、見た目、pM型に見えるはずだ。

業績を上げ続ける企業組織のPM型のリーダーであっても、部下を時にきつく叱るその姿は、Pm型に見えることだろう。


つまり、リーダーシップの実態は、表層の行動にあるのではなく、その奥にあるリーダーの信念にあると言えよう。


また、そこには、リーダーとメンバーとの間に相互理解と信頼がなければならない。


そうでなければ、Pm型のリーダーの行動は、ただのメンバーに対する圧力になり、pM型は同様にただの馴れ馴れしさでしかなくなるだろう。



20181115 ジェックメールマガジンより

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