自社が「変われない理由」を「慣性の法則」で点検してみよう

「慣性の法則」をご存知だろうか?

「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」

というもので、ガリレイやデカルトによって提唱され、ニュートンが整理したものだ。

(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 https://ja.wikipedia.org/wiki/運動の第1法則  2019年5月20日閲覧)


この「慣性の法則」は、質量のある物体同様に、人や組織、企業にもはたらく。

そのため、個人の習慣や組織の風土を変えるのは、難しいものとなる。


例えば、キャッシュレス化を進めようという政府は、キャッシュレス決済のメリットを打ち出している(消費税還元施策など)。

その流れに乗りQRコード決済を進める会社が相当な還元金で普及を促進しているが、アプリをダウンロードしても、キャンペーンの後まで使い続ける人は多くないと聞く。


一次的に、「キャンペーン」という外部からの力で、新しい行動を取ってみたものの日本では、現金を持ち歩いても安全で、現金に対する信用度も高く、さらに「いくら使ったかわからない」という不安などの理由で、多くの人にとっては、キャッシュレス決済そのものが、習慣を変えるほどのメリット(外部からの力)とならないため、現金で支払うという習慣がそのまま続くのである。


これが「慣性の法則」の一例である。


企業に目を向けてみよう。

企業は、存続し続けることが使命であるから、時代が変われば方針・戦略も変わる。

しかし、新しい方針・戦略は、なかなか浸透せず、数年かかることも多い。


これは私見だが、方針浸透が難しい組織の一つに「大手企業の子会社」がある。

イメージとして、技術力が高く、顧客(顧客が親会社ということも多い)も業績も安定しており、トップや経営幹部は親会社から出向や転籍するという企業である。

こういう企業に、親会社の中堅幹部クラスが社長として来ると、実績作りのために、「何かを変えよう」と新しい方針を出すが、残念ながらうまくいく例は少ない。


プロパー社員は、その社長が数年で親会社に戻り、また新たな社長が来ても、その繰り返しだとわかっているため、様子をうかがいすぐに行動を変えたりはしない。

「トップ方針は長く続かない(せいぜい3年)」「業績は安定しているので、変わる必要がない」と思っている人が多い組織であれば、「このまま」という「慣性」がはたらく。


つまり、「変わらない」ことの理由(外部からの力が無い状態)の方が「変わる」ことの理由(外部からの力)よりも、上回っている場合は、人も組織も「変わらない」のである。


では、どうすれば人や組織、企業は変わるのか?

それは、「変わる」理由が、「変わらない」理由よりも上回る状態をつくることだ。

それには、外から「変われ」と言われるより、自らが「変わりたい」と思えるか、つまり「外発的動機づけ」より「内発的動機づけ」が促進できるかがポイントだ。

この点が「外部の力」で変わるという「慣性の法則」とは違う点だ。


さらに言えば、「内発的動機づけ」でも、「~~しなければ生き残れない」などという「地獄の動機づけ」だけでなく、「これができるようになると、~~になる」という「天国(欲求)の動機づけ」が大きい方が、人は行動を変えやすいと聞く。


新しい方向を打ち出したい経営者は、まず、メンバーは何に強みがあるのか、何をしたいのかを聴き取り、その上で個々人の特性に合った形で方向づけ、それぞれのお役立ちビジョンと、会社の方向性を統合する。


そうすることで、社員や組織の内なる力が沸き起こり、変えることができるのである。


20190523 ジェックメールマガジンより


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