想像力を働かせることの重要性

もう四半世紀以上前になるが、一緒に働いていた後輩に、

「相手の状況を理解できない」タイプの人物がいた。


後輩「経験してないですし、そんな他人のやっていることはわからないです」

筆者「じゃ、経験したことならわかるのか?」

後輩「バイトとかして、働いた仕事ならわかります」

筆者「想像はつかんのか?」

後輩「どうやって想像するんですか?」


時効だと思うので書くが、彼にはこの後、飲食店を経営する某企業にお願いし、

一週間、仕事の体験をしてもらった。

そのお客様の実情を知ることは、従業員や管理者から話を聞くというだけでは、

彼にはできないと思ったからだ。

結果、彼はその某企業とお取引ができるだけの状態になった。


仕事をする上で必要なスキルの一つが、「想像力」だと私は思っている。

「この人は普段、何を考えて行動しているのか」

「どんなことに困っているのか」

「何が楽しいのか」

ということを想像できるかどうか、その上で解決策を考えていくのだ。


さらには、「この人」を

・この環境で仕事をしている人

・この職業の人

・この会社の人

等と置き換えて考える。


想像するためには、相手の人の経歴(企業なら沿革)や扱う商品や

サービスの作られ方、売られ方、使われ方等、

知っておいた方が良いことはたくさんある。

これをあらゆる資料で調べておくとともに、相手から聞き出しておく。

直接相手から聞き出した生の情報が一番生きる。


慣れてくると、少し話を聞いただけで、なんとなく、

「こういう仕事ぶりなのだろう」ということがわかってくる。

そこから、一般的な課題は見えてくるし、個々人の特性まで押さえれば、

個人の課題も想像できるようになってくる。

もちろん、当たりはずれはあるが、「想像の経験と検証」を重ねれば、

確度はだんだん上がってくると思っている。


この想像力は、社会生活を送るうえでも重要だ。

もし、正しく想像できたなら、

トイレットペーパーがスーパーの棚からなくなったり、

マスクを買うために早朝からドラックストアに並ぶようなことは

なかったのではないかと思う。

つまり、社会状況や他者、弱者をおもんばかるという想像力が、

平安な社会の基礎ではないだろうか。

ミレーの「落穂拾い」は、旧約聖書のレビ記にある、

「畑から穀物を刈り取るときは、その畑の隅まで刈り尽くしてはならない。

収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。

貧しい者や寄留者のために残しておきなさい」

という一節を描いたものだ。


弱者への思いやり、つまり、想像力が必要だということを

ここでも言っているのだと思う。



20200514 ジェックメールマガジンより

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