「拡散」と「収束」


エンゼルスの大谷翔平選手が書いた、

「曼陀羅(まんだら)」を基にした目標達成シートがある。

https://newspicks.com/news/893396/body/ (参照 NEWS PICKS 2015/3/27掲載)


3×3のマスが、更に、3×3で配置されたものだ。

合計81個のマスができることになる。

中央には「ドラフト1位指名8球団」という目標が書いてあり、その周りの8つのマスには、「ドラフト1位指名8球団」を達成するための課題が書かれてある。


その8つの課題をさらに周囲に配置された8つの3×3のマスの中央に書き、その周囲の8マスにその課題を達成するための中項目の課題が書かれている。


記事から読み取ると、「運」、「人間性」、「メンタル」、「体づくり」、「コントロール」、「キレ」、「スピード160km/h」、「変化球」が「ドラフト1位指名8球団」のための中項目の課題として上げられている。


さらに、そのそれぞれの残りのマスの中には、中央に書かれているものを達成するための課題が書かれている。

例えば、「スピード160km/h」の周囲には、「軸で回る」、「下肢の強化」、「体重増加」等の課題が書かれている。


この方法によって、目標達成のために取り組むことを網羅的に引き出すことができる。

また、全体を俯瞰することもできる。


ただ、これだけでは「拡散」して課題を引き出しただけの状態だ。

そのため、似たような課題が複数のマスに書かれることになる。


大谷翔平選手の事例では、

「コントロール」のところに「メンタルコントロールをする」というように中項目の「メンタル」に書かれていてもおかしくない項目が出てきたり、「キレ」と「体づくり」の両方に「可動域」という課題が書かれている。

さらには、どうやって鍛えるのか、測定するのかわからない曖昧な表現も多くなる。


ビジネスで使うには、

「拡散」の過程に「収束」の過程を加えていかないとならない。

そもそも、「曼陀羅」そのものは、中央から「の」の字、あるいはその逆にマスを回りつつ、思考を深めるようになっており、中央から八方に拡散するものではない

(真鍋俊照『マンダラは何を語っているか』p.108, 談社現代新書, 1991年)。



弊社の問題解決トレーニングは、この曼陀羅を生かした問題解決手法を学ぶ。

その際には密教の思考通り、「の」の字に拡散と収束を繰り返し、考えを整理し深めていく。

「曼陀羅」とは、「本質を所有するもの」を指すという(同 p.8)。

本質をとらえてモノを考えるためにも、拡散と収束を繰り返しながら思考するにはもってこいの方法だろう。


大谷翔平選手が拡散後の課題にどう取り組んだのかまでは分からないが、おそらく、これらの課題に強弱をつけて、


一石二鳥、三鳥の効果が出せることをやっていったのだろう。


20200820 ジェックメールマガジンより

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