安心感のある現場をつくる


先日、ある食品スーパーの新しい店舗(新店)がオープンする前に、CS(顧客満足度向上)研修を弊社で担当させていただいた。

新店で働く社員、パート・アルバイト全員を集めての研修は、いったん店がオープンしてからではできない。

オープン前に経営理念やコンセプトをきちんと伝えるには、このような場面を作ることが重要だ。


午前中は、食品スーパーの幹部や現場のチーフクラスの発表。

まず、トップが「なぜ、食品スーパーを始めたのか?」という話を始め、そこから経営理念を説明、経営者の想いを伝える。

そして、部門長から、店舗のコンセプトや部門のコンセプトなどの説明。

次に、各部門のチーフが「こんな店、部門にしたい」と抱負を述べる。

そこからチームワークが生まれ、働きやすい組織を創る第一歩が刻まれる。


食品スーパーのように、パート・アルバイトの多い職場では、忙しいがゆえに、日常の「会話」の多くが、

「この商品を出しておいて」、

「あそこの商品、乱れているから、前出しをしておいて」等、「会話」ではなく「指示」になってしまうことも多い。

確かに、それで業務は回るかもしれないが、発展はしないだろう。


重要なのは、「みんなが同じ方向を目指して動いている」、「全員がお客様に満足していただくことを考えて仕事をしている」という感覚を持ったチームを作ることだ。

その活動の中で、成長している、認められている、という実感を持つことも重要だろう。


チーフの発表では、

・売上にも関心をもってもらいたいので前の日の売上等を朝礼で伝えたい

・月に一度は、個別の対話をしたい

・困ったことは、まず、私に何でも言って欲しい

・工夫できるところがあれば、なんでも挑戦して欲しい

というものがあった。


弊社の研修では、その午前中の発表を受け、理念、店舗や部門のコンセプトを実践し、お客様から選ばれ続ける行動とはなにか、それをどう維持していくのかというトレーニングを行う。

チーフが行動の見本を見せ、パート・アルバイトさんの指導をする。

ちょっと、オーバーなくらいの笑顔を作り、笑わせる。

そんなことがお互いを知り合い、チームワークをはぐくむ基礎になるのだ。


こうしてチームワークが良く、実践できるチームを作ったならば、パート・アルバイトさんの力を引き出し、成長し、地域のお客様から喜ばれ、選ばれ続け、結果として、売り上げを上げ続ける組織ができるのだ。


組織では、お互いを尊重し、成長し、安心して働ける環境を作ることが、組織づくりの基礎である。

決して、役割分担や連絡の取り方といった体制づくりではない。

形から入ってはいけないと私は思う。


20201029 ジェックメールマガジンより

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